【2023年11月22日 追記・更新】
去年、「薬剤師国家試験に落ちた彼女を、僕は隣で見ていた」という話を書きました。今回は、薬剤師を題材にした漫画『アンサングシンデレラ』を、現役の病棟薬剤師に読んだ感想を聞いた記事になります。
アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり/荒井ママレ
総合病院の薬剤師として働く、葵みどり・26歳。医師のように頼られず、看護師のように親しまれなくても、今日も彼女は患者の「当たり前の毎日」を守るため、院内を駆け回る!! 称賛されなくてもあなたを支える医療ドラマ!!
アサシングシンデレラではなく、アンサングシンデレラです! アンサングの意味は、縁の下の力持ちを指すそう。
全11巻・現在も連載中!
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薬剤師が共感したポイント
感想を聞いたところ、「あるあるって感じ」の一言で終わってしまいました。なので、共感した描写を引用しつつ、紹介していきます。
薬剤師っていらなくない?
引用:1巻
1巻の1話の冒頭の描写。「もしかして、薬剤師っていらないのかな?」「薬剤師って本当に必要なのかな?」と疑問に思う主人公の葵みどり。
これは、やはり共感するそうです。彼女いわく、「本当に命の危機が迫っている時、薬剤師はなんもできん」からだそう。つまり、医療の現場における医者や看護師との比較からくる意識が原因でしょうか。直接患者さんと触れ合わないこともないそうですが、それはあくまで安定した後に薬の説明をする時が主です。
また、メディアへの取り上げられ方も挙げられるでしょう。この漫画の触れ込みが、陰日向に咲く医療の物語 と題しているように、薬剤師は表立って注目はされません。薬剤師を題材にした作品が非常に少ないことが、世間の関心を示しているとも言えるでしょう。
医者とのやりとり
引用:1巻
入院患者の薬の処方箋に疑問を持った主人公の葵が、医者に問い合わせる描写。医者が処方した薬なのに、自分の間違いに気付かない・もしくは素直に認められない・謝らないってところですね。ここも共感ポイント。
声のトーンからウザさを感じることは日常茶飯事。もちろん、すべての医者がこうではないようですが、その割合は高め。逆に、薬剤師を薬の専門家として尊重し、コミュニケーションを取る医者も。また、著名な医者は超多忙なので、直接電話がつながらないこともあるそう。
引用:1巻
自分が間違っているのに偉そうな態度を崩さず、謝れない医者。薬剤師に限らず、医者が医療従事者から嫌われる要素の一つ。研修医の段階で、世界の名医レベルで偉そうな人も……笑。
調剤は時間との闘い
引用:1巻
調剤とは、処方箋に基づく医薬品を揃えて、患者に交付する業務です。
病院と同様、薬局=待たせられるという印象を持ったことがあると思います。薬はすぐに出てきて当たり前と思っているのは、薬剤師がどのような過程・思考を経て薬を出しているか知らないから。僕も薬剤師のことを学ぶ前はそうでした。
とは言いつつも、時間との闘いであることは間違いありません。
自己判断で薬の量を変える患者さん
引用:1巻
自己判断で、薬の飲む量を変える人が多くいます。薬には徐々に量を減らして止めなければいけない薬、薬の量を変えることで重大な副作用が出る薬などさまざまな物があります。
他にも、オーバードース(身体あるいは精神にとって、急性の有害な作用が生じるほどの量によって薬物が使用されること)だったり、健康食品は食品なんだから飲み合わせとか特に気にしなくていいでしょ的なこと言う患者さんもいます。僕もそうですが、勉強する前とした後では言葉の定義が異なりますよね。
薬をいっぱい持ってくる患者さん
引用:2巻
薬をいっぱい持ってくる人もいます。
なんで主人公は引いてるの?→薬の量が多いことに驚いているそう。飲み忘れが多かったり、随分前にもらった薬もとりあえず持ってきた、という人もいます。一つの薬を見ると、薬剤師の人は関連する情報が一気に頭に浮かぶんでしょうね。
互いの業務を知らない
引用:2巻
薬剤師にも色々な人間がいます。色々な仕事内容があります。当たり前ですが、やはり共感するとのこと。
この漫画では、病院と薬局の薬剤師で考え方や給料面で違いが生まれることを描いています。職場や環境が変われば、役割も大きく変わります。
インフルエンザの時期は多忙
引用:3巻
インフルエンザの時期は、病院が多忙になります。そして、それは薬剤師も同じです。病院は基本的に忙しいそう。一気に退院のタイミングがかぶるなどなど。
がんの患者さんとの服薬指導
引用:3巻
主人公の葵が、がん患者と接する描写。病棟薬剤師は、入院患者さんに薬の説明をします。その中でも、ガン患者と接するのは難しいそう。だんだん弱っていく姿を見ると、つらい。言葉では つらい と表しましたが、その心境を正しく文章には出来ていないと思われます。
サプリメントを飲んでいる人の多さ
引用:3巻
サプリ飲んでる人って多いよなーという共感(深い意味はないそうです)ちなみに、僕もエビオス錠を飲んでいます。だからどうこうはないそう。
他にも……
- 内科満床で、小児科病棟にも大人の人が入院することがある、など
薬剤師としての生き方
引用:5巻
薬剤師になる! というのは本当に重要な目標。でも、薬剤師になってからの方が長い。職場だけでなく、どんな薬剤師になりたいのか、薬剤師としてどのような道を選ぶのか……など、薬剤師になってからも悩むことばかり。人生そのものです。
院内規定を無視or覚えていない医者が多い
引用:5巻
医者の中には自分が神のように振る舞う人が一定数いるそうです。そして、それを許す病院……(もあると思われる)。もちろん、人によります。また、あまりにも院内で態度が横柄だと、外部から招いている場合は契約打ち切りもあるそうです。
出産は幸福なものだけじゃない
引用:5巻
出産は、難しい問題である。色んな背景がもろに出るよね、お産というのは。それまでの人間関係だけでなく、これからの人間関係でも揉める可能性がある。よって、産師さんは色んなことに気をまわしてる。。。とのこと。漫画の中でもすんなり産まれてみんなハッピー!! という描き方ではないので、余計にそう思ったそうです。
主人公がお節介過ぎるし、現実的ではない部分も多い
ただ、主人公がお節介で人と関わる時間が多過ぎるという点では、話によって非現実だそう。
僕から見て、、、
この漫画を見て思うことは、薬剤業務というのは本当に幅広いということ。漫画の中には、病院で働く薬剤師の他には、調剤薬局の薬剤師しか出てきません。病院の仕事に関しても、彼女から聞く仕事の内容とは異なる点ばかりです。
たとえば、彼女は病棟に常駐しているので、基本的に調剤をしません。薬剤師=調剤 みたいなイメージを僕自身が持っていたので驚いたことを思い出します。担当の病棟の入院患者全員の薬のすべてを受け持っているそうです。
ただ、こういった仕事をしているよ、という大まかな情報の提供は確かだと思います。
他にも、病棟の移動、薬剤部の社風・雰囲気、事件性のある入院患者、同僚の退社などなど、漫画では描かれていない部分がまだまだあります。しかし、その中には口外すべきではない内容もあり、やはり実際に働いている者同士でしか分かり合えないことの方が多かったり。(僕も知らない)
個人的には、日本とアメリカの薬剤師の違いなどを描写してほしいです。
ドラマ『アンサング・シンデレラ』を観た感想
石原さとみさん主演でドラマ化が決定!
主人公の恋愛とか、不要な要素は入れないでほしいな、と考えます。バラエティ的な面白さも必要ないでしょう。ありのままの薬剤師を描いてほしいと個人的には思います。
追記
案の定というか、原作とは内容もキャラもがらりと変わっており、、、脚本が変更していた点は諸事情もあると思いますので、原作者の意図に沿わないような内容にならないことだけを祈っております(僕はもう見ませんが……)。
見逃し配信は、FOD(フジテレビの公式動画見放題サイト)でやっています。
金額|月額976円(税込み)で見放題です

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